特徴的な治療法

膀胱癌の新しい光力学診断(PhotoDynamic Diagnosis、PDD)

光線力学診断用剤「5-アミノレブリン酸塩酸塩(5-ALA)、製品名:アラグリオ®顆粒剤」は、青色励起光を照射することで、膀胱内の癌細胞が光って見えるようになります(図1、赤色発光部が膀胱癌病変。Yamamoto S, et al. Photodiagnosis Photodyn Ther. 2020. doi: 10.1016/j.pdpdt.2020.101999より引用)。
5-アミノレブリン酸塩酸塩は、それ自体は発光しませんが、細胞内に取り込まれた後にミトコンドリアで蛍光物質に変換されます。癌細胞では、この蛍光物質が異常に蓄積する性質があります。手術に先立ってアラグリオ®顆粒を服用し、経尿道的膀胱腫瘍切除術(PDD-TURBT)を行うことで、肉眼では判断困難な微小病変や平坦病変を的確に視認し、取り残し無い切除が容易になると考えられております。術後の膀胱内再発率を減少させるため、当院では保険適用後の2018年から使用を開始しております。

膀胱癌の新しい光力学診断