患者の皆様へ

前立腺腫瘍外来

第1、第3木曜日 午後 / 担当医:小坂 威雄

最新のがん疫学調査によると、本邦においても欧米諸国のように前立腺癌の罹患率が、高齢化や検診の普及により増加傾向をたどり、今後男性の癌罹患率第1-2位になることが想定されています。前立腺癌は早期発見されれば根治可能な癌です。前立腺癌に対して広く施行されている治療法は手術療法、放射線療法、薬物療法、PSA監視療法に分けられます。前立腺癌治療には様々な合併症、副作用が起こる可能性があり、治療後の生活の質が悪化することもあります。当院では、前立腺癌の診断から治療まで、患者様の病態や価値観を重視した最新の治療方法を伴に考えながら提供しております。

前立腺がんはアンドロゲン(男性ホルモン)を利用して増殖するので、手術後、放射線療法後の再発や、初期発見時に転移がある患者様には、ホルモン療法が施行されます。以前は、ホルモン療法が効かなくなったがんは、ホルモンに依存することなく増殖できるようになったのだと考えられていましたが、実際には副腎や前立腺癌そのものから分泌される微量のホルモンを利用していることがわかってきました。そこで、現在はホルモン療法が効かなくなった前立腺がんのことを去勢レベルの微量のホルモンでも増殖するがんということで、去勢抵抗性前立腺がんと呼んでおります。

当院では、去勢抵抗性前立腺がんに対する最新の薬物療法の知見を多く有しております。たくさんの薬物療法の選択肢の中で、どの薬剤を選択したらよいか?患者様の生活の質を保つにはどうすればよいか?どんな副作用があるのか?など、最新の情報を交えて、提供しております。時には、放射線科や整形外科、緩和ケアの専門家と相談しながら去勢抵抗性前立腺がんの患者様の視点に立った最新の医療を展開しておりますので、気軽に担当医にご相談ください。