学生・研修医の方へ

レジデントの声

学生・研修医の方へ
01慶應義塾大学卒 大村 美波

はじめまして。私は慶應義塾大学医学部を卒業後、2016年に慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室に入局しました大村美波と申します。現在卒後9年目でこの1年はHINOTORI講座の特任助教という立場で研究活動や外来診療などの臨床業務に加え、ロボット手術への参加とトレーニングを重点的に行わせていただきました。

当教室の研修プログラムにつきましては諸先輩方が既に詳しくご説明くださっておりますため、私は現在泌尿器科ではなじみ深いものとなっているロボット手術に関して、当院でロボット手術の技術習得を行うメリットをお伝えできればと思います。

私自身は出張病院でもロボットが導入されている施設が少ない状況でしたのでレジデントとして帰室した際に助手資格を取得してトレーニングを開始致しました。優れた拡大視野・自由度の高い操作性からロボット手術は解剖の理解にも役立ちますし、後期研修の初期から触れられる皆さんを羨む気持ちもありますが、一方で初学者が、日々の臨床業務と並行して執刀に至るまでの知識・技術・経験を系統立てて学ぶ機会を得るのがなかなか難しいのが現状ではないかと推察します。
その点、当院では手術症例が豊富なことと、トップレベルの先生方からご指導とサポートを得られる環境が整っていることで、大学ローテーション中に未経験者にも学習の機会があります。
また出張病院でも導入施設では若手医師のトレーニングを積極的に行っている為、出張中に執刀を経験する先生方も増えてきています。

現在当院ではDa Vinci Xiに加え、HINOTORIが2022年度から稼働開始し、週4-5日間ロボット手術を行っております。単一の病院では導入されているデバイスが1種類のみの施設が多い中、同時期にDa Vinci, HINOTORI双方の症例を経験することで機械による操作性の違いやアームの可動範囲などを比較しながら体験できるのは大きな利点だと思います。

さらに当教室ではこれらの実臨床の手術や決まったトレーニングに加え、外科学教室と共同運営されている臓器横断的内視鏡エキスパート医育成事業「PROCESS」と呼ばれるプログラムにも積極的に参加しております。
1年を通じてエネルギーデバイスの理解やポートプレースメントの基礎などの知識の再確認から始まり、dry boxでの定期的な技能指導・評価、豚を使用したwet labでの腹腔鏡手術経験を経て、献体を使用したロボット手術のトレーニングまでを行う機会が与えられます。 ここで、実際の生体の患者さんの執刀に至るまでに泌尿器科領域のみならず、消化管・肝胆膵等、他領域の術式も経験しながら臓器の扱いを学び、幅広い診療科の先生から指導やフィードバックを受けることができます。
そして、私のような未取得者はこのPROCESSと並行してロボットの術者免許の取得を行うため、シミュレータートレーニングやwet labトレーニングが定期的にあり、操作上の癖やコンソールとの距離感・姿勢など個別に指導を受ける機会が豊富にありました。
このように当教室では豊富な手術症例とハイボリュームな関連病院、トップレベルの先生方からのご指導とサポートがあり、若いうちから高いレベルのロボット手術手技を習得できる環境が整っております。

医師人生も10年目に近づく中、私は少し変則的なローテーションを経て6箇所の施設で研鑽を積ませていただきましたがいずれにおいても手厚いご指導のもと、充実した日々を過ごさせていただきました。
拙文ではございますがお読みいただいている皆さんにもぜひ勧誘にお越しいただき教室の雰囲気を知っていただく機会になればと存じます。
教室の仲間として先生方にお会いできることを心から楽しみにしております。

02群馬大学卒 岩佐 俊

私は慶應義塾大学理工学部を卒業した後、群馬大学医学部に学士編入学し、初期研修を経て、2017年に慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室に入局しました。現在、卒後9年目で、ポストチーフとして大学病院で臨床業務と研究活動に勤しんでいます。
ここでは、私が現在、主に携わっていて、慶應泌尿器科の特徴の1つでもある『小児泌尿器科』についてご紹介します。

先生は泌尿器科にどのようなイメージを抱いていますか?前立腺肥大症など高齢男性を診ることが多いというイメージかもしれませんが、実際には男女問わず新生児から高齢者まで幅広い診療を行っています。そのような中でも、当教室では小児泌尿器科の専任スタッフとして浅沼先生が在籍しているので、入局1年目から教科書でしか見たことのないような先天性疾患に触れることができます。
また、関連病院には東京都立小児総合医療センターがあり、レジデントの出張先として設定されているので、先生が希望すれば小児病院での診療も経験できます。
小児泌尿器科領域は専門医試験でも毎年出題があるので、実際に診療を行えることは知識を深めるのに役立ちますし、繊細な手術手技などは成人の診療に応用することもできます。

そのような小児泌尿器科領域ですが、日本泌尿器科学会の会員数が9,500名ほどのところ、小児泌尿器科学会の会員数は900名程度と泌尿器科医の中でも人数が少ない分野です。そのため、私は入局5年目の頃から停留精巣、膀胱尿管逆流、先天性水腎症、尿道下裂など小児泌尿器科領域のほとんどの手術を執刀させてもらえています。
泌尿器科は比較的若手のうちから第一線で活躍できる診療科ですが、小児泌尿器科はその中でもより早く主戦力として活躍していけるサブスペシャリティの1つで、若いうちからどんどん活躍したいと考えている先生にとっては絶好の場所ではないでしょうか。

小児泌尿器科領域に興味のある先生はもちろん、成人の泌尿器科領域をメインでやっていきたいと考えている先生にとっても、当教室の後期研修プログラムは他では得難い経験ができる魅力的なものだと感じています。
少しでも興味を持っていただけたらぜひ見学に来てください。文章では伝えられないような雰囲気、魅力を感じてもらえると思います。

03慶應義塾大学卒 馬場 優人

2014年に慶應義塾大学を卒業後、初期研修を経て当教室に入局いたしました、馬場優人と申します。

私のキャリアパスとしては、入局1年目は大学病院に勤務し一般的臨床業務を学び、2-4年目は関連病院で手術・病棟・外来診療にどっぷり浸かり、泌尿器科医としての基本を叩き込まれました。5-6年目は大学病院に戻りレジデント、そして病棟チーフとして患者さんの病棟管理に責任をもって取り組みました。この先、医局員の多くは他の病院に出向しつつ研究を行い学位を取得するというパターンが多いですが、私は入局7年目(医師9年目)から大学院博士過程に進学し、現在2年生として基礎研究に従事しております。

私は現在前立腺癌の研究を行っています。泌尿器科領域でも手術技術、薬物療法の進歩はめざましく患者さんのQOLや生命予後はどんどん改善されていますが、関東一円の難聴症例が集まる慶應義塾大学での臨床を経験すると、一人の医師として提供できる標準治療の限界を感じます。「このタイプのがんの患者さんはどうして薬が効かないんだろう?」「こういう効果のある治療法を開発できたら、ニーズがあるのに」という日々の臨床から感じる疑問・課題を臨床研究や基礎研究に落としこんで発展させていく、そんなリサーチマインドにあふれた指導医、先輩方、同僚に刺激され自分も本格的に研究に取り組むことにしました。

研究を行う上でも、本教室の環境は非常に恵まれていると思います。教室内だけで一般的な生命科学実験に必要な次世代シークエンサー、光学システム、培養室を備えてありますし、大学内で共有されている研究室を用いれば最新鋭の機器を自由に利用することができます。また、日本有数のノウハウや設備をもった他研究室との協力関係があることも魅力的です。私も有明がん研究所に訪問研究員として籍を置かせていただいており、その施設にしかない実験環境を利用しがん微小環境の解析をすすめています。

なりたい医師像というものは人それぞれだと思います。ロボット・腹腔鏡手術のエキスパートを目指したい人、透析を勉強したい人、小児泌尿器を専門としたい人、子育てと両立させながら研鑽したい人、 研究にどっぷり浸かりたい人、いろいろなDrがこの医局にもいます。それぞれが自分の主体性をもって自分のサブスペシャリティを極め、患者さんに還元するなかで「自分にしかできないこと」「自分の得意なこと」を実感できることは、医師として非常に幸せなことではないでしょうか。それを可能にする多くの選択肢、人との縁、そして寛容な雰囲気がこの教室にはあると思います。泌尿器に興味がある先生は、ぜひ当教室の扉をたたいてみませんか?お待ちしております。

04千葉大学卒 井澤 水葵

私は2014年に千葉大学を卒業し市中病院での初期研修終了後に当教室に入局しました。
諸先輩方が前述のとおり、慶應泌尿器科には多彩かつバランスの良い研修プログラムが用意されています。
専門医資格取得した後も教室所属の先生方から手厚い指導を受けられる環境は変わらず、私自身も臨床業務の傍ら研究活動に勤しんでおります。

近年は女性のキャリアパスが問題になっていますが、当教室ではどうでしょうか?
まず、泌尿器科領域に女性医師は必ずしも多くありません。しかし、一方では泌尿器科を受診する女性患者さんの割合は悪性疾患・良性疾患いずれも決して少なくない。つまり泌尿器科における女性医師は一定のニーズがあると自負しています。手術手技や専門知識を幅広く身につけることで、女性・男性・小児・トランスジェンダーを含めた多くの患者さん方に真に寄り添えると考えています。
そうした観点でも「外来診療」「透析」「小児・移植・良性疾患(男性不妊治療含む)」「悪性疾患」の各パートをバランスよくローテートできる当教室プログラムは卓越していると言えるでしょう。またライフイベント(治療・妊娠・出産)にあわせてプログラム内容を変更した例もあります(イベントにあわせて透析のローテート期間を延長する、時期を変更するなど)。
私自身も、まだまだ発展途上の女性医師キャリアパス問題において、当教室でできることは何かを日々一緒に考えていく存在でありたいと考えています。皆様の入局を是非お待ちしております。

05三重大学卒 三條 丹星

泌尿器科・当教室との出会いから入局まで
学生の頃から外科系に興味があった私は、研修医2年目の夏に泌尿器科を選択しました。その時に、最初から最後まで患者様を一貫して診られる診療科ということを再認識しました。そして、研修が終わるころには、熱心に指導してくださった当教室の先輩方へのあこがれを持つようになりました。とはいうものの、当時は慶應に対してなんとなく敷居が高いイメージがあり、入局する決断をできないでいました。そんな時、先輩が誘ってくださった当教室の説明会に参加しました。意外にも他大学出身者が1/3程度いらして、排他的な雰囲気はなく、自分自身が成長する環境として何の不自由もないだろう感じました。また、臨床はもちろん研究・教育への熱に共感し、入局しました。

入局して6年が経った今
当教室の最大の魅力は確立した研修プログラムにあると感じています。最初の半年~1年間は、大学病院で病棟管理や泌尿器科の基礎を3, 4年上の先輩方にくっついて学びます。そこで腎移植、生殖医療、尿路奇形に対する形成術、数えきれない治験等に触れ、泌尿器科の幅広さと奥深さを体験します。その後の2, 3年間はハイボリュームな関連病院に出向することとなります。そこでは、主治医としての責任感を養い、膀胱全摘術を含め大開腹手術にも執刀し多くの経験を積みます。そして、再び大学病院に戻ると、指導医の先生方とともに稀有な症例や研究と向き合いながら、各関連病院で成長した仲間と切磋琢磨し、新たに入局してくれた後輩の指導することで、さらに成長できるのだと実感しています。

当教室に興味を持ってくださった先生へ
最近はCOVID-19の流行に伴い、以前のように教室の雰囲気を直接感じてもらうことが難しい中で、診療科・医局を決めることは勇気がいることと思います。ここではお話ししきれない魅力がまだまだありますので、少しでも当教室に興味を持ってくださった先生は、是非とも医局説明会へ御参加ください。関連病院で研修されている先生は、気軽に先輩レジデントの先生に相談してみてください。関連病院でない先生も、些細なことでもよいので、まずは当教室に御連絡をください。新たな同志との出会いを楽しみしております。

06慶應義塾大学卒 髙橋 遼平

2011年に慶應義塾大学医学部を卒業しました髙橋遼平と申します。 現在は医師として9年目、ポストチーフとして研究活動を行う傍ら、臨床業務をお手伝いさせて頂いております。私は一般泌尿器だけでなく腎不全治療(透析・腎移植)と小児泌尿器疾患をメインにお手伝いさせて頂いておりますので当科の小児泌尿器診療について述べさせて頂きます。

慶應義塾大学医学部泌尿器学教室のプログラムでは泌尿器科1年目は大学病院での勤務となります。慶應義塾大学の良いところは、泌尿器疾患の中でみられない疾患が無い点だと考えます。小児泌尿器疾患や生殖医療、腎移植など多くの市中病院ではそこまで手が回らないというような疾患も満遍なくみることが出来ます。(最近では大学病院でも小児泌尿器疾患はまったくやっていない施設も出てきているようです。)

私は泌尿器科医になって3年目に都立小児総合医療センターで1年間小児泌尿器科医として働かせて頂きました。多くの市中病院では大人の泌尿器疾患をメインに扱いますので、戸惑うこともありました。採血や点滴ルートの確保をするのも一苦労ですし、多くの患者さんは自分の症状を伝えることが出来ません。病状説明をする際にはご本人だけと言うわけにはいかず、お父さんやお母さんとのお話になります。幸い大学で1年間ローテート出来たおかげで小児泌尿器疾患の患者さんと接する機会があったため、そのような戸惑いはすぐに慣れていきました。慣れてくると外来を任せて頂けるようになり、困った時には隣のブースで診療をしている先生に助言を頂きながら診断、手術・治療、外来フォローを行いました。疾患でいうと停留精巣、包茎、おねしょといった頻度の多い疾患から、膀胱尿管逆流症、先天性水腎症、巨大尿管症、尿道下裂、腎腫瘍など多岐にわたりました。自分で手術をした小さな患者さんから似顔絵やお手紙を貰ったり、ご両親から涙ながらに感謝の言葉を頂いたりと大人の泌尿器とはまた違った得がたい経験となりました。

小児泌尿器科は患者さんの成長・発達の途中で関わる機会が多く、手術後大人になるまでを見据えた治療プランを立てることとなります。また再建手術が多いことも特徴的で、拡大鏡を使った細かな手術が多いのも魅力のひとつです。将来多くの泌尿器科医が大人の泌尿器疾患をメインに治療の対象とすると思いますが、手術の幅や知見を広げるために是非とも専門医を取得する前に小児泌尿器疾患は経験すべきだと感じております。小児泌尿器疾患を泌尿器科1年目から見られるのは慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室以外にそうそうありません。是非一度見学に来てください。一緒に働ける日を楽しみにしております。

髙橋 遼平
07慶應義塾大学卒 桝田 司

私は慶應義塾大学医学部を卒業し、初期研修を経た後に、2014年に慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室に入局しました。現在卒後9年目で、病棟チーフレジデントを終了し、ポストチーフとして大学に勤務をしております。ここでは慶應泌尿器科の後期臨床研修を終えた立場から、どういった研修を過ごしてきたかを紹介させていただきます。

①フレッシュマン(1年間):我々は入局をすると1年目は半年から1年程度、大学病院に勤務します。この期間は主に病棟管理、簡易な手術や透視検査などの処置、学会発表などを上級医の指導のもと行います。小児・腎移植・結石・悪性など様々な疾患を持った患者さんを担当するため、この期間で徹底的に泌尿器科における初歩的な対応を身につけることが出来ます。忙しい日々を過ごしますが、若手の多い大学病院での勤務は、私にとっては毎日楽しく、刺激的な1年間でした。

②関連病院へ出張(2年間):フレッシュマンを終えると、2-3年間は1年ごとに慶應の関連病院に出張することとなります。それぞれの病院で手術や外来業務を集中的に学びますが、この出張期間が一番、医者として成長できるタイミングです。フレッシュマンの時とは違って、年齢が近い上級医がいないため、様々な対応を自分で試行錯誤しながら行います。当たり前なことかもしれませんが、他科の先生やコメディカルの方々からも、一泌尿器科医としてコンサルトを受けるため、その都度が成長につながったと思います。

③レジデント(1年間):大学病院に帰室し、まずはレジデントと呼ばれる1年間を過ごします。主に臨床業務や外来業務のサポートを行いつつ、ここで少し基礎研究に触れることが多いです。私もそれまで臨床に特化した期間を過ごしていたため、ほぼ基礎研究はゼロからの状態でしたが、スタッフの先生方からの指導を受け、何とか研究をスタートすることが出来ました。

④チーフレジデント(1年間):その後、チーフレジデントとして1年間、大学病院での病棟管理を任されます。先端的治療(ロボット支援腹腔鏡手術や臨床治験など)や困難症例(合併症が多い症例や他科合同手術など)を経験し、臨床のスキルを磨くことができます。フレッシュマンを指導しながら、大学病院での責任ある立場を任されますので、プレッシャーはありますが、この期間を終えると達成感もありました。また病棟業務とは別に、腎臓内科の先生方とともに透析業務を行ったり、泌尿器科専門医を取得したりと非常に濃い1年を過ごすこととなりました。

⑤ポストチーフ:チーフレジデントを終えると、慶應の中では一人前の泌尿器科として認められ、外病院への出張を希望する先生もいれば、大学院に進む先生もいます。私のように1年間は大学に残って、基礎研究をすることも出来ます。それぞれが今後どのような医者人生を送っていきたいかによって、ポストチーフ期間をどう過ごすか、その選択は自由です。

この様に少しずつ段階を踏んで、研究・教育・臨床面でバランスよく成長できる良さがあります。私が考える慶應泌尿器科後期研修の強み、それは常に刺激的なその環境にあると思います。関連病院を多く抱えていることもあり、大学病院での先端的医療から市中病院でしか経験できない症例を学べますし、入局者が多いため同期や先輩からもかなり刺激を受けます。また関連施設の中には小児病院や移植病院などもあり、興味があれば選択することも出来るため、これも慶應泌尿器科ならではだと思います。泌尿器科に興味のある先生方は、是非一度ご連絡ください。お待ちしています。

08慶應義塾大学卒 箱崎 恭平

「私の思うKEIO Urologyの特徴-やりたいことがやれる!」


はじめまして。

2012年に慶應義塾大学医学部を卒業し、現在医師9年目(泌尿器科7年目)の箱﨑恭平と申します。2020年3月に大学での病棟チーフを終え、現在は関連病院へ出向中です。

このページを見て下さっている学生さんや研修医の先生は、慶應泌尿器科(KEIO Urology)に興味があってのことだと思いますが、私からみたKEIO Urologyは一言でいうと“やりたいことを思いっきりやれる環境(やっている集団)”です。

泌尿器科を選考した人の中でも、やりたいことはそれぞれで異なります。手術をバリバリやりたい人もいれば、基礎研究をやりたい人もいます。私のように臨床も研究も適度にバランスよくやりたい(バランスよくできているかは不明ですが、いずれも無理なく楽しく取り組んでいます!)という人もいます。

また、それぞれ置かれている環境や価値観も異なります。朝から晩まで臨床業務に取り組むことを生きがいとする人もいれば、家族・家庭を優先したい人、休日は趣味に時間を割きたい人、等様々です。

KEIO Urologyでは、

泌尿器科1年目:大学でフレッシュマン(病棟の実働部隊としてオーダー、処置等を実践します)

泌尿器科2-3年目:関連病院でレジデントとして手術手技を習得し、同時に病棟、外来管理を学びます。

泌尿器科4-5年目:大学でレジデント、チーフとして臨床に加え、臨床研究、基礎研究の準備をします。この間に泌尿器科専門医試験を受験します。

泌尿器科6年目:大学でポストチーフとして主に基礎研究を行います。

泌尿器科7年目以降:スタッフとして関連病院で主治医として、手術、病棟、外来業務を行います。

といった、最低限の泌尿器科技能をつけるためのおおまかなカリキュラムがあります。しかし、このカリキュラムをベースに、個々人の希望によりmodifyが可能です(もちろん、その時の状況にはよりますが)。具体的には、小児泌尿器科に興味があるので関連病院への出向は小児病院へ行く、手術スキルの向上を最優先したいので6年目のポストチーフは早めに関連病院へ出向し手術をたくさんやる、基礎研究をじっくりやりたいので7年目以降の関連病院への出向はせず大学院へ行く、などです。
こういったことが可能であるのは、KEIO Urologyならではだと思います。

なぜKEIO Urologyならではか言うと、大きく3つの理由があると思います。

1つ目は、医局員がたくさんいることです。医局員が少なく人手不足だと、空いた穴を埋めるために人手が割かれてしまい、個人の希望はなかなか聞き届けられないのではないかと思いますが、その点KEIO Urologyではまだまだ十分とは言えませんが、それでも泌尿器科の中では恵まれた人員がそろっていると実感しています。

2つ目は、関連病院が多い、ということです。関連病院が多い分、全体として様々な分野に取り組むことができており、具体的には、ロボット手術を行っている施設(6施設)、小児泌尿器手術を行っている施設(2施設)、腎移植を行っている施設(3施設)などが複数ずつあるため、自分のやりたい分野に進みやすい環境があります。

そして3つ目は、KEIO Urologyは、慶應義塾の「独立自尊」の理念の通り、個人のやりたいことを尊重する空気感があるということが最大の理由です。大家教授は、人々の多様性を非常に重んじており、教室員それぞれの良いところを率直に評価しているように感じます。この理念、空気感は教室全体にしみわたっているため、みなが自分のやりたいことに前向きに楽しく取り組んでいるように強く感じます。

このように書くと、やりたいことがない人は不安に思われるかもしれませんが、実際、最初はやりたいことがない人がほとんどです。最初はやりたいことがなくても、大学や関連病院でいろいろな体験をすることでどんどん、やりたいこと、向いていることが見えてきます。

抽象的な話になってしましましたが、一通りのレジデントカリキュラムを経験した立場から見たKEIO Urologyの特徴-やりたいことを全力でやれる—が少しでも伝わりましたら幸いです。

最後になりましたが、KEIO Urologyは、皆さんの多様性を心待ちにしています!

まずは、私の言う、空気感を感じにぜひ見学にお越しください!

09東邦大学卒 寺西 悠

2009年に東邦大学を卒業しました寺西悠と申します。現在透析チーフとして当院の『血液浄化・透析センター』をローテートしておりますので簡単にご紹介いたします。
当教室に入局後、泌尿器科医約5-6年目に透析チーフとしての期間が準備されております。泌尿器科を含め、内科の経験豊富な上級医と共に、シャント穿刺は勿論のこと、透析の理論、実際の透析処方、緊急の透析依頼などをこなしていきます。通常のHDFに加え重症例のCHDF(持続的血液濾過透析)などを実際に自力で組み、すぐにフィードバックがありますので日々成長を実感致します。当科は透析学会の認定施設でもありますので、入局した時点から透析専門医取得に必要な研修歴が加えられていきます。週3日の透析センター勤務の他、週2日は関連病院での外来勤務があり、休日は完全オフとなります。前日から遠出をしてリフレッシュすることも可能ですし、まとまった時間がとれますので基礎研究に打ち込むことも出来ます(この前の1日はコンサートに行き、別の日は培養している細胞で実験をしました)。

一昨年にda Vinch Xiの資格を取得致しましたが、当院では透析センターと手術室が同じフロアにありますので、空いた時間は手術を見に行くことができ、surgeonとしてのアクセスも非常に良好です。またこれまで国際学会で計4回ほど発表させて頂く機会があり、米国やヨーロッパ、南アフリカなどに行く機会を与えて頂き、まさに世界との距離の近さを実感しております。
当教室での泌尿器科としてのトレーニングは非常に密度が濃く、振り返りますとやはり忙しかったという実感がありますが、決して後悔はしません。同じ選択を迫られてもまた当教室を選びます。毎日爆笑しながら働いている病棟チームを見て入局を決めてくれた研修医の先生もいらっしゃいます(笑)!ぜひ見学にいらしてください。お待ちしております。

07千葉大学卒 茂田 啓介

初めまして、平成22年に千葉大学医学部を卒業後、初期研修を経たのちに慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室に入局いたしました、茂田啓介と申します。現在、医師8年目になり臨床業務と両立を図りながら基礎研究に着手しております。
まず、簡単に当泌尿器科のキャリアアップのシステムをご説明します。当泌尿器科に入局後、1年間は大学病院で下積みを含めた一般的臨床業務に着手していただきます。4-5年目は当泌尿器科が誇る関連病院で手術にあけくれる毎日を過ごしたのちに6-7年目は再度大学病院で専門知識と技能を学びます。8年目には基礎研究を中心に研究室に入り、学位取得を目指すといった流れです。

一見、どこの泌尿器科にありそうなスケジュールですが、1年間の『密度』が他泌尿器科と決定的に異なる点かと思います。最初の大学病院の1年間は手術こそ基礎的トレーニングに留まりますが、学会発表、臨床論文作成、米国泌尿器科学会応募などacademicな領域でさえいきなり責任をもって任されます。4-5年目には一般泌尿器科手術をoperatorとして行ったのち腎移植、小児泌尿器科の分野を大学病院で勉強し研鑽を積んでいきます。また空いた時間には若い内にテーマとして与えられた臨床研究内容を論文として仕上げることが可能です。6年時には後輩を持ち、教育を行う立場に変わり、7年目には身につけた知識と技術を総動員して病棟の長として病棟を管理する立場となります。8年目に基礎実験に着手を開始し、自分の専門分野を固めていく、といった流れです。

私の場合、当院の外科学教室と連携した臓器横断的内視鏡エキスパート医育成事業『PROCESS』というプログラムに参加させていただいております。このプログラム参加により、泌尿器科領域を超えた各臓器領域における網羅的な知識の習得並びに他科領域手術施行による科の垣根を超えた標準手術手技の体得が可能になると考えております。このように、当科では臨床と研究の融合を実践しており、若い内に両分野の開拓が可能であるといいう点で他に類を見ないと思います。 当科は入局後、常に濃厚な時間を短期間で習得できるという点が最大の特色ではないかと思います。私を含めた他大学出身の先生の中には慶應という名に押され、敷居が高く、入局を躊躇する方がいるかもしれません。しかし、当泌尿器科はすべての医局員にチャンスが平等に与えられます。つまり、背景がどうであれ頑張る人間には無限の可能性が開けています。当教室で自分の可能性を高めたい、更なる高みを目指したいという方には最適とも思える環境ではないでしょうか。 もし入局を迷っている若手の先生がいたら、自信を持って当科に入ることをお勧めしますし、一緒に頑張っていけたら素晴らしいと思います。是非、自分が後悔する選択をしないよう、一同心からお待ちしております。

08慶應義塾大学卒 髙松 公晴

初めまして。私は慶應義塾大学89回卒業で現在泌尿器科病棟チーフレジデントをしております卒後8年目の髙松公晴です。こちらでは慶應泌尿器科の後期臨床研修最後の学年であるチーフレジデントの立場から、慶應泌尿器科の後期臨床研修を振り返ります。

慶應義塾を始めとする大学病院の責務は、研究・教育・臨床の3本の柱からなると言われます。この3本柱は大学病院に限らず、医学に携わる医師全てが分担しているものです。即ち、日常医療である臨床、後進の育成である教育、そして個人の経験を未来の医学の礎とするための医学研究です。慶應泌尿器科の後期臨床研修ではこの3本柱をバランス良く指導していただきました。

① 臨床について

慶應泌尿器科では初期臨床研修が終了した後、入局1年目は(期間は様々ですが)大学病院での勤務に従事します。フレッシュマンと呼ばれるこの期間に、術前・術後の患者管理や、感染症をはじめとした泌尿器科内科的管理、悪性腫瘍の患者様に対する社会支援をはじめとした全人的管理などを学びます。この時期は初めて学ぶことばかりで大変なことも多い時期です。同年代も多い大学病院で励ましあいながら、乗り切ることで臨床の勘を体得します。この臨床の勘がこの後の出張病院での肝となります。
その後2-3年間の出張病院での臨床生活では1年ごとに2-3病院での臨床業務に従事します。ここで手術・外来業務を学んでいくわけですが、この期間に集中的に外科的治療手技を学べるのは、フレッシュマン時代に体に染みつくほど内科管理を学んでいるからです。この出張時代に一般泌尿器科医としての基礎を作ります。
そして大学病院に帰室し、2年間レジデント・チーフレジデントと呼ばれる大学病院での病棟管理業務に従事する中で、先端的治療(ロボット支援腹腔鏡手術や臨床治験など)や困難症例(合併症が多い症例や、他科合同手術など)を経験し、百戦錬磨のスタッフに指導いただくことで臨床のスキルを磨いていきます。この時期に泌尿器科専門医を取得することになります。

② 教育について

慶應泌尿器科後期臨床研修では入局直後のフレッシュマン時代を大学病院で過ごします。この時期には主にチーフレジデント、レジデントがフレッシュマンを指導します。学年が近いチーフレジデントからの指導であることと、食事などの日常生活を共にすることで、密な指導を受けることができます。この時期は、教育を受ける立場です。
関連病院に出張すると、今度は少し年の離れた先輩医局員の指導を受け、具体的な外科的技術や臨床のtipsを学びます。関連病院によっては初期臨床研修医への指導を通して、教えることの難しさを体験します。
そして大学病院に帰室すると、大学スタッフからの指導を受けると同時にフレッシュマンを自ら指導をする立場となります。それぞれのチーフレジデントが、自分が教わったことを、それ以上にわかりやすく、「自分ならこう教えてほしかった!」と思いながら、日々指導をしています。私自身、時に同期と指導方法について意見を交わしながら、全力で後輩への指導をしている毎日です。 このように屋根瓦式に、教わりながら同時に後輩を教えるという点が、慶應泌尿器科後期臨床研修の特徴です。後期研修終了後にどこで勤務するにしても、後進の育成に携わるこの経験値が、財産になると思います。

③ 研究について

医学研究は個々の症例から学ぶ症例報告、個々の症例を積み重ねて共通点・相違点から疾患の特性をとらえる臨床統計、そして疾患の背景にある生物学的・生理学的現象を解明する基礎研究に分けられます。慶應泌尿器科の後期臨床研修では、フレッシュマン時代に地方会などで症例報告を経験します。私自身東京地方会で発表し、ベストプレゼンテーション賞を受賞することができました。その後も関連病院でも定期的に症例報告の発表をさせていただき、埼玉地方会ベストプレゼンテーション賞を受賞し、複数の症例報告を論文化することができました。これは、大学で研究や後輩の教育に携わってきた先輩方が、関連病院にたくさんいらっしゃり、熱心なご指導をして頂ける環境が整っているからこそのことです。 症例報告を積み重ねると、症例をマスとして捉える見方が身についてきます。すると臨床統計での報告を開始します。私は、アメリカ泌尿器科学会(AUA)で2017年に2演題発表させていただき、2018年にも発表をする予定です。また、ケースシリーズの報告により、日本小児泌尿器科学会でベストポスター賞を頂くことができました。これも、数多くの後進を指導してきた大学での指導があっての賜だと思います。
このように臨床研究を経験することで、後期臨床研修終了後に基礎研究を志す先生が多いのも慶應泌尿器科の特色だと思います。もちろん手術などの臨床スキルを磨くために関連病院で研鑽を積む先生も多いですが、チーフレジデント終了後に大学院入学や、1-2年間の基礎研究期間を選択することも可能です。
このようなステップアップの研究が、慶應泌尿器科後期臨床研修の特色だと思います。

この研究・教育・臨床のバランスの良さが慶應泌尿器科後期研修の強みであり、慶應泌尿器科医師を形作るものだと思います。 泌尿器科に興味のある先生方は、是非一度足を運んでみてください。もし雰囲気が肌に合うならば、是非、実学としての泌尿器科学を体現しに、慶應泌尿器科へ来てください。お待ちしています。