臨床研究へのご協力のお願い

慶應大学医学部泌尿器科教室では研究機関として今後の医療の発展に役立てるため、様々な臨床・基礎研究を実施しております。患者さんの診療に直接影響しない下記の研究に関して、主に診療録のデータを集積・解析して研究を行っております。

当院の倫理委員会の承認の下、患者さんのプライバシーに充分配慮した上で実施しております。これらのデータを学会発表や論文の発表に貴重なデータとして利用させていただくことがございます。ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。なお、下記の研究へのご協力を希望されない場合は、担当医までお知らせください。

課題名

課題名
日本人腎細胞癌患者におけるPD-L1発現状況に関する多施設共同レトロスペクティブ研究

このたび当院では、上記のご病気で入院・通院された患者さんの 診療情報 を用いた下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。
本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「8 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

1 対象となる方
西暦2010年1月1日より2015年12月31日までの間に、慶應義塾大学病院泌尿器科にて進行性腎細胞癌の治療のために薬物療法を受けた方

2 研究課題名
承認番号 2018-0303
研究課題名 日本人腎細胞癌患者におけるPD-L1発現状況に関する多施設共同レトロスペクティブ研究

3 研究実施機関
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室・慶應義塾大学病院泌尿器科

共同研究機関
研究責任者
中外製薬株式会社 メディカルアフェアーズ本部
本部長 日高伸二
株式会社エスアールエル・メディサーチ
研究員 小谷朋子
株式会社 日本科学技術研修所
未定
株式会社エスアールエル
未定
愛知医科大学 病理診断科
教授 都築豊徳
関西医科大学 臨床病理学講座
講師 大江知里
国立がん研究センター先端医療開発センター
免疫TR分野長 西川博嘉
北海道大学病院 泌尿器科
講師 大澤崇宏
札幌医科大学附属病院 泌尿器科
教授 舛森直哉
弘前大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 大山力
岩手医科大学附属病院 泌尿器科
教授 小原航
筑波大学附属病院 泌尿器科
教授 西山博之
東邦大医療センター佐倉病院 泌尿器科
教授 鈴木啓悦
東京医科歯科大学 泌尿器科
教授 藤井靖久
日本医科大学付属病院 泌尿器科
教授 木村剛
北里大学病院 泌尿器科
教授 岩村正嗣
横浜市立大学附属病院 泌尿器科
准教授 中井川昇
国立大学法人新潟大学医歯学総合病院 泌尿器科
教授 冨田善彦
富山大学附属病院 泌尿器科
教授 北村寛
静岡県立静岡がんセンター 泌尿器科
部長 庭川要
浜松医科大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 三宅秀明
愛知医科大学病院 泌尿器科
講師 金尾健人
名古屋大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 後藤百万
京都大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 小川修
大阪市立大学医学部附属病院 泌尿器科
講師 玉田聡
大阪大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 野々村祝夫
近畿大学医学部附属病院 泌尿器科
准教授 野澤昌宏
神戸大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 藤澤正人
奈良県立医科大学附属病院 泌尿器科
教授 藤本清秀
岡山大学病院 泌尿器科
教授 那須保友
徳島大学病院 泌尿器科
教授 金山博臣
香川大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 筧善行
九州大学病院 泌尿器科
教授 江藤正俊
長崎大学病院 泌尿器科
講師 大庭康司郎
熊本大学医学部附属病院 泌尿器科
教授 神庭大己

4 本研究の意義、目的、方法
この臨床研究の目的は、腎細胞がん患者さんのがんの組織に発現しているタンパク質(PD-L1)が、腎細胞がんの治療に対する効果や予後にどのような影響をするのかについて検討することです。
PD-L1は、タンパク質の一種であり、通常、体の免疫反応の調節に関与しています。しかし、がん細胞は、このPD-L1の免疫反応の調節機能を利用して、部分的に免疫系による攻撃から逃れ、排除されなくなることで増殖すると考えられています。
PD-L1を発現している腎細胞がんとそうでない腎細胞がんがどのような特徴を持つのか、腫瘍組織におけるCD8陽性T細胞(体内に侵入した異物を排除する免疫細胞の一つ)などの免疫細胞の状態や浸潤している免疫細胞の種類・状態に違いがあるのか、患者さんはどのような経過を経るのかといったことを過去の診療情報(カルテ)と手術の際に切除したがん組織を用いて分析することで、将来の腎細胞がんの治療や診断に役立つ情報を提供することが期待されています。

5 協力をお願いする内容
慶應義塾大学病院泌尿器科で2010年から2015年までの間に腎細胞がんに対して薬物治療が行われた受けられた方が対象になります。あなたが過去に腎細胞がんに対して受けてこられた診療の情報と手術で得られたがんの組織の残りを用いて行います。この研究に同意を頂いた後に本研究に登録された日のあなたの生存に関する情報を担当医師が取得する以外、新たに情報を取得することはありませんし、この研究のために通院や検査が追加されることはありません。あなたから回収したがんの組織の一部は国内の検査機関に集められ、そこで検査が行われます。検査にはPD-L1の発現状況と腫瘍組織に浸潤した免疫細胞のマーカー(CD8)その他がんやがんの免疫反応の特徴を明らかにするようなマーカー(免疫細胞に発現するタンパク質マーカー)が含まれる予定です。
本研究は患者様への直接的な利益・不利益はありません。この研究につきまして患者様から研究への不参加を申し出ていただいた場合にはデータを使用いたしません。患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。また、この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合でも、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて国内あるいは世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。
患者様の希望により、他の被験者の個人情報保護や、この臨床研究の独創性の確保に支障のない範囲内で、この研究の方法に関する資料を入手または閲覧することができます。ご希望の場合には下記、問い合わせ先までご連絡ください。本研究結果の開示がご希望の場合も、同連絡先までご連絡ください(研究結果は検討に時間を要しますのですぐにはお伝えできません。しかし患者様からの希望があれば、いずれわかりやすい形でご説明致します)。

6 本研究の実施期間
研究実施許可日〜2019年12月31日(予定)

7 プライバシーの保護について

  1. 1) 本研究で取り扱う患者様の個人情報は、氏名と患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
  2. 2) 本研究で取り扱う患者様の診療情報は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものかわからないデータ(匿名化データ)として使用します。
  3. 3) 患者様の個人情報と匿名化データを結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また、研究終了時に完全に抹消します。
  4. 4) なお連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。

8 お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、情報の利用停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
水野隆一
電話 03-5363-3825
対応時間 平日9:00~17:00

課題名
生体腎移植ドナーの術前CTにおける腎体積評価とそれによる術後腎機能回復率の予測

このたび当院では、上記のご病気で入院・通院された患者さんの術前造影CT検査を用いた下記の医学系研究を、医学部倫理委員会の承認ならびに病院長の許可のもと、倫理指針および法令を遵守して実施しますので、ご協力をお願いいたします。
この研究を実施することによる、患者さんへの新たな負担は一切ありません。また患者さんのプライバシー保護については最善を尽くします。 本研究への協力を望まれない患者さんは、その旨を「8 お問い合わせ」に示しました連絡先までお申し出下さいますようお願いいたします。

1 対象となる方
西暦2000年04月01日より2017年09月30日までの間に、泌尿器科にて生体腎移植ドナーの手術のため入院、通院し、術前検査、術前造影CT検査及び術後検査を受けた方。糖尿病のある方は対象外となります。

2 研究課題名
承認番号 20180130
研究課題名 生体腎移植ドナーの術前CTにおける腎体積評価とそれによる術後腎機能回復率の予測

3 研究実施機関
慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室・慶應義塾大学病院 泌尿器科

4 本研究の意義、目的、方法
目的:CTによる腎体積解析を加えた術前因子より、生体腎移植ドナーの術後腎機能回復率の予測を行う。

意義:従来の研究に新たな術前因子を加えて腎提供前の術前因子を用いて腎提供後の腎機能予後を予測する事ができれば、従来のドナー適応基準よりも正確にドナー適応の選定を行うことができ、それによりドナーの健康を担保する事が可能となります。

対象:当院で生体腎移植ドナーとなり、術前にthin-sliced (1mm)の造影CTを施行されている患者で術後一年以上経過観察を行えている患者さま。

方法:対象患者さまのデータを後方視的に収集し、解析を行います。術前因子のうち、腎提供一年後の腎機能回復率に影響しうる有意な因子を統計的に検討します。

5 協力をお願いする内容
手術前、手術後の診療記録、臨床検査データ、術前造影CT検査を使わせて頂きます。

6 本研究の実施期間
西暦2018年8月28日~2018年12月31日

7 プライバシーの保護について

  1. 1) 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名および患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話番号など)は一切取り扱いません。
  2. 2) 本研究で取り扱う患者さんの臨床検査データ、術前造影CT検査は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものか一切わからない形で使用します。
  3. 3) 患者さんの個人情報と、匿名化した臨床検査データ、術前造影CT検査を結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また研究計画書に記載された所定の時点で完全に抹消し、破棄します。
  4. 4) なお連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。

8 お問い合わせ
本研究に関する質問や確認のご依頼は、下記へご連絡下さい。
また本研究の対象となる方またはその代理人(ご本人より本研究に関する委任を受けた方など)より、試料・情報の利用の停止を求める旨のお申し出があった場合は、適切な措置を行いますので、その場合も下記へのご連絡をお願いいたします。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
森田伸也
電話 03-5363-3825
対応時間 平日9:00~17:00

課題名
前立腺癌患者の諸症状のデータ解析とステロイドプロファイルの臨床的意義の検討

前立腺癌細胞の治療法のひとつとして、男性ホルモンを調節することで、前立腺癌細胞をコントロールするホルモン療法があります。しかしながら、一部の細胞は男性ホルモンがなくても成長することができるように変化し、ホルモンの調節で癌細胞のコントロールができなくなることが認められております。またホルモン療法は、男性ホルモンのバランスを崩すこととなり、体がだるかったり、急に体が熱くなったりするといった症状が出現します。これは男性更年期といわれる症状と似ております。

そこで今回我々は、前立腺癌の患者様の全体的なステロイドの環境を把握し、ホルモン療法が効かなくなるメカニズム、男性更年期のような症状と前立腺癌治療との関係を明らかにしようと考えております。前立腺癌の患者様を対象として、採血および尿検査にて各種ホルモンを検査します。また更年期障害、あるいは全体の満足感に関するアンケートを行います。手術が行われる患者様の場合には、採取された組織の余剰分の一部を詳しく調べさせていただきます。

本研究に関してご説明の後、文書にて同意が得られた方のみの参加となります。この研究に参加されない場合でも、今後の治療に関して何ら不利益を受けることはありません。現在の治療法の中で、あなたにとって最善と考えられる治療を行います。本研究における患者様のデータは匿名化され厳重に管理され、患者様の個人情報は一切公表されません。患者様が研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合は連絡下さい。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
研究責任医師 菊地 栄次
電話 03-5363-3825

課題名
腎瘻カテーテルに関する合併症の検討

腎瘻は水腎症を解除する目的で造設される処置の一つです。造設時にカテーテルを留置しますが、尿管閉塞の解除が困難な場合にはこのカテーテルの継続的な交換が必要となり、当科においては一般的に4週間毎に透視下に腎瘻カテーテルの交換を行っています。この過程において、頻度はまれですが一定の確率で腎瘻カテーテルに関する合併症が起こりえます。特に、腎盂カテーテルの脱落は、放置しておくと腎不全が進行してしまうことから緊急でカテーテルの再挿入、もしくは腎瘻の再造設を行う必要があり、泌尿器科的緊急事態の一つです。

本研究では、腎瘻カテーテルの交換をを施行されてきた患者さんを対象に、腎瘻カテーテル交換に関係する情報を後ろ向きに収集・解析することで、腎瘻カテーテルの合併症を防ぐ一助となることが期待されます。本研究のために追加の診察・検査を行うようなことはございません。患者様のデータは匿名化され厳重に管理されており、患者様の個人情報は一切公表されません。この研究につきまして患者様から研究への不参加を申し出ていただいた場合にはデータを使用いたしません。患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合で も、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
研究責任医師 大家 基嗣
電話 03-5363-3825

課題名
急性前立腺炎における重症化予測因子の検討

急性前立腺炎の多くは抗菌薬の内服による外来治療が可能ですが、稀に重症化して敗血症やショックを呈することがあります。しかしながら本症の診断基準や、重症度判別基準は確立されておりません。本研究では、当院にて急性前立腺炎と診断された患者様を対象に、受診時の各種所見を統計学的に比較・検討し、重症化を予測する因子を明らかにすることを目的としております。当院で前立腺炎の治療を受けた患者様の受診時の記録より、年齢、各種診察所見、検査所見を収集し、統計学的に解析を行います。本研究のために追加の診察・検査を行うようなことはございません。患者様のデータは匿名化され厳重に管理されており、患者様の個人情報は一切公表されません。この研究につきまして患者様から研究への不参加を申し出ていただいた場合にはデータを使用いたしません。患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合でも、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 大家 基嗣
電話 03-5363-3825

課題名
急性精巣上体炎における重症化予測因子の検討

急性精巣上体炎の多くは抗菌薬の内服による外来治療が可能ですが、稀に重症化して敗血症やショックを呈することがあります。しかしながら本症の診断基準や、重症度判別基準は確立されておりません。本研究では、当院にて急性精巣上体炎と診断された患者様を対象に、受診時の各種所見を統計学的に比較・検討し、重症化を予測する因子を明らかにすることを目的としております。当院で精巣上体炎の治療を受けた患者様の受診時の記録より、年齢、各種診察所見、検査所見を収集し、統計学的に解析を行います。本研究のために追加の診察・検査を行うようなことはございません。患者様のデータは匿名化され厳重に管理されており、患者様の個人情報は一切公表されません。この研究につきまして患者様から研究への不参加を申し出ていただいた場合にはデータを使用いたしません。患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合でも、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 大家 基嗣
電話 03-5363-3825

課題名
経尿道的膀胱腫瘍切除術、膀胱全摘除術時の病理組織における予後マーカーならびに薬剤耐性因子に関する検討

膀胱癌は治療後に再発を認める例が多く、一部は進行して膀胱をすべて取り除くといった手術が必要になる症例も認めます。本研究ではどのような症例において薬物治療(BCG膀胱内注入療法や抗癌剤治療)が無効であり、再発や進行を来たすのかを解析することを目的としています。本研究により、どのような症例においてBCGの膀胱内注入を行うべきか、どのような症例で抗癌剤治療を行う必要があるかが解明されることが期待されます。この研究では1982年1月から2014年12月にかけて慶應義塾大学病院泌尿器科において、経尿道的膀胱腫瘍切除術および膀胱全摘術が施行された患者様の手術時の余った病理標本や診療記録からわかる情報(年齢・既往歴・薬剤内服歴・CTやMRI等の画像所見・病理組織学的診断結果等)を用いさせていただきます。余った病理標本を用いて、BCG治療や抗癌剤治療抵抗性に関与している可能性のあるタンパク質を調べ検討させていただきます。本研究は患者様への直接的な利益・不利益はありません。また手術から得られた残余標本を用いて行うので、新たな身体的御負担もありません。患者様の試料やデータは匿名化され厳重に管理されており、患者様の個人情報は一切公表されません。この研究につきまして患者様から申し出ていただいた場合には試料やデータを使用いたしません。もし患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合でも、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 菊地 栄次
電話 03-5363-3825

課題名
ウロビジョンによる尿中細胞の染色体遺伝子異常の評価

本試験は多施設共同のウロビジョン(アボットジャパン株式会社)の国内臨床性能試験です。
現在、膀胱がん検査は、膀胱鏡による診断と尿細胞診による判定が一般的です。尿細胞診は、尿中のがん細胞を外見上の違い(大きさ、かたち等)により診断する検査です。しかし検査には熟練した技術が必要で、観察者の技能と経験に左右されるところがあり問題点とされています。ウロビジョンは尿中の細胞の外見上の違いだけでなく、今まで判らなかった遺伝子や染色体の異常について調べることで診断を行うことを目的とした検査です。ウロビジョンでは膀胱がんで異常が起きるとされている4種類の染色体および遺伝子を尿を使って検査することにより、患者さんに精神的・肉体的負担を与えることなく、より効率的かつ正確な膀胱がんの診断が可能です。既に米国では膀胱がん患者の再発診断に使用する診断薬として、2001年より臨床現場において広く使用されています。

本研究の目的は、ウロビジョンにて4種類の染色体および遺伝子異常を検出することが、膀胱がんの診断においてどれくらい効果的であるかを確認することです。本研究に関してご説明の後、文書にて同意が得られた方のみの参加となります。この研究に参加されない場合でも、今後の治療に関して何ら不利益を受けることはありません。現在の治療法の中で、あなたにとって最善と考えられる治療を行います。本研究における患者様のデータは匿名化され厳重に管理され、患者様の個人情報は一切公表されません。患者様が研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合は連絡下さい。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 菊地 栄次
電話 03-5363-3825

課題名
腹腔鏡下手術における皮膚表面接着剤(DERMABONDTM)を用いた臍形成術の検討

腹腔鏡下手術ではおなかにポートと呼ばれる筒を挿入し、このポートを介して手術用のカメラやハサミを入れることによって手術を行います。こうすることで、従来のおなかを切る手術に比べて傷を小さくして手術を行うことができます。この際、ポートを臍の部分に入れることにより、さらに傷を目立たなくすることができます。臍の傷を閉じる際は、溶ける糸(vicrylTMやPDSTM)で縫うことで臍を再び作り直します。これにより、傷が目立たないように臍を作ることができます。しかし、傷の感染や臍の突出(「でべそ」のような状態)、傷の痛みなどの合併症をきたすことがあります。これに対し、臍を作る際に医療用の接着剤(DERMABONDTM)を用いることでよりきれいに臍を形成できる可能性、手術後の感染や臍の突出を防ぐことができ、傷の痛みを減らす可能性があります。本研究では、臍の部分からポートを挿入して腹腔鏡下手術を施行予定の患者さんを対象とし、臍を作る際にDERMABONDTMを使用する人と使用しない人の2つのグループに分け、DERMABONDTMの有用性を調べることを目的としています。研究の対象となる患者さんには、担当医より説明があり、同意を得られた患者さんのみ研究への参加となります。

この臨床研究に参加するかどうかは、患者さんの自由意思であり、同意しない場合でも、患者さんが不利益を受けることは決してありません。また、研究の参加に同意した後でも、患者さんの自由意思により、いつでも同意を撤回することができ、臨床研究を中止することができます。遠慮なく担当医にお知らせください。途中でやめたことで、患者さんが不利益を受けることはありません。

本研究に参加される患者さんを対象として、手術データ、一般診療にて施行される採血、生活一般QOL (Quality of Life: 生活の質)に関連するアンケートを包括的に集積します。DERMABONDTMの使用の有無はランダムに決定されるため、患者さんが選ぶことはできません。本研究への参加により特別に外来受診回数が増えたり、採血等の検査実施回数が増えることはありません。また、本研究への協力には研究協力費の支給や医療費の減免などはありません。DERMABONDTMを使用した方の利益としては術後の傷の治りがきれいになり、感染などのリスクが低くなる可能性があります。不利益としては皮膚のかぶれをおこす可能性があります。

本試験の結果は直接に患者さんご本人に有益な情報をもたらす可能性は低いかもしれませんが、アンケート結果および検査結果はご自身の状況をより正確に把握できると共に、将来的の医学の発達に貢献する可能性があります。

個人のプライバシーの保護には最大限の努力が払われ、個人情報が利用され、個人の名前や住所などが明らかになることはありません。また、この研究結果が論文や学会で発表される場合でも、あなたの氏名やイニシャルなど個人を特定できるものは一切公表いたしません。

この研究についてお聞きになりたい点がありましたら担当医にご遠慮なく質問し、説明を受けてください。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 松本一宏
電話 03-5363-3825

課題名
腎細胞癌の治療のため当院に入院・通院されていた患者さんの診療情報を用いた臨床研究(手術治療を受けた腎細胞がん患者の予後予測因子の検討)

進行性腎細胞癌の治療は、切除を基本とした外科的治療が標準として行われます。しかし術後に再発する症例も多く、再発後の有効な治療手段の確立が依然求められております。当教室においては、腎細胞癌に対する治療成績の向上のために、腎細胞癌の悪性化に関与する因子や薬剤治療耐性機構の研究を進めています。今までの我々の検討から、治療抵抗性の要因として、癌細胞における生存シグナルの変化や、幹細胞性マーカー、血管新生などのがん組織の栄養状態の調節機構の関与しているのではないかと考えております。そこで、1998年4月-2018年3月までの間に腎摘除術を施行した患者様の病理組織検査の残余標本を用いて、これらの分子の腎細胞癌での発現状況と治療成績の関連を調べようと考えております。本研究は患者様への直接的な利益・不利益はありません。手術から得られた残余標本を用いて行うので、新たな身体的御負担もありません。また患者様の試料やデータは匿名化され厳重に管理されており、患者様の個人情報は一切公表されません。この研究につきまして患者様から申し出ていただいた場合には試料やデータを使用いたしません。患者様が研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合はご連絡下さい。この臨床研究に参加するかどうかは、患者様の自由意思であり、同意しない場合でも、患者様やそのご家族が不利益を受けることは決してありません。ただしこの研究内容が学会発表や論文等にて世界に公表された後には、その公表を撤回するのは現実的に困難でありますので、データを使用しないとの希望に沿えませんので御了承下さい。
患者様の希望により、他の被験者の個人情報保護や、この臨床試験の独創性の確保に支障のない範囲内で、この研究の方法に関する資料(研究実施計画書)を入手または閲覧することができます。ご希望の場合には下記、本研究実務責任者までご連絡ください。本研究結果の開示がご希望の場合も、同連絡先までご連絡ください(研究結果は検討に時間を要しますのですぐにはお伝えできません。しかし患者様からの希望があれば、いずれわかりやすい形でご説明致します)。

協力をお願いする内容
診療情報(年齢・既往歴・薬剤内服歴・CTやMRI等の画像所見・病理組織学的診断結果等)のデータ及び手術で摘出した病変のうち、病理組織検査の残余標本を使用させていただきます。

本研究の実施期間
西暦2014年 1月31日~2024年 3月31日(予定)

プライバシーの保護について

  1. 本研究で取り扱う患者さんの個人情報は、氏名と患者番号のみです。その他の個人情報(住所、電話 番号など)は一切取り扱いません。
  2. 本研究で取り扱う患者さんの診療情報は、個人情報をすべて削除し、第3者にはどなたのものかわからないデータ(匿名化データ)として使用します。
  3. 患者さんの個人情報と匿名化データを結びつける情報(連結情報)は、本研究の個人情報管理者が研究終了まで厳重に管理し、研究の実施に必要な場合のみに参照します。また、研究終了時に完全に抹消します。 なお連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。
  4. なお連結情報は当院内のみで管理し、他の共同研究機関等には一切公開いたしません。
連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 水野 隆 一
電話 03-5363-3825

課題名
‘ドセタキセル抵抗性前立腺癌に対するリバビリン併用ドセタキセル療法の有効性に関する臨床研究‘のお願い

ドセタキセルは、海外において去勢抵抗性前立腺癌を対象としたランダム化比較試験(TAX327試験)で生存期間の延長が検証された唯一の抗がん治療・化学療法で、現在では本邦も含め世界中で、進行性前立腺癌に対する標準治療として位置付けられ、広く施行されています。本邦においては、前立腺癌に対して2008年から認可され、日本中で日常診療において広く施行されている、安全性の確立した抗がん治療です。しかしながらドセタキセル療法を施行しても、はじめの段階から、もしくは何回か投与を繰り返すうちに、ドセタキセル療法に対しする効果が減弱し、耐性化を示すようになるため、その生命予後改善効果は限定的です。ドセタキセル療法に対し治療抵抗性となった場合、本邦において使用可能な有用な薬剤はないため、ドセタキセルの投与継続が不可能な場合を除いて、ドセタキセルの投与を継続するか、緩和医療に移行する選択肢しかないのが、現在の我が国の去勢抵抗性前立腺癌に対するドセタキセル療法後の進行した前立腺癌患者さんに対する医療の現況です。ドセタキセルに対し抵抗性の前立腺癌に対する治療法は未だ満足できる域では到底なく、今後、我が国においても患者の増加が予測されており、社会的にも大きな課題となってきています。このため、ドセタキセル療法抵抗性前立腺癌に対し、その抵抗性を減弱し、耐性を克服させることで、抗がん剤に対する感受性を回復させ、ドセタキセル療法の治療効果を改善することができる薬剤の登場が熱望されていますが、未だ実用の段階ではありません。当教室では、このような患者さんに対し、少しでも有用な治療方法を開発し提供したいとの願いから、長年に渡り研究を続けてきており、現在も粛々と研究を進めております。

今回、慶應義塾大学医学部泌尿器科教室と発生分化生物学、病理学教室ならびに産業総合研究所との共同研究によって、日常臨床において、既に広く使用され、ヒトに対する安全性が既に確立されている抗ウイルス薬であるリバビリン(商品名:コペガス)が、動物実験においてドセタキセル療法に対し抵抗性のある前立腺癌に対し有効性を示すことを発見しました(Kosaka T et al Cancer Science 2013)。本研究の成果は、ドセタキセル療法に対し抵抗性を示す患者さまにとって、リバビリンをドセタキセルと併用することで、治療抵抗性を減弱させることのできる可能性のある薬剤であること示唆しています。リバビリンは、C型肝炎の患者さまに対し、既に臨床上使用されている安全性の確立された薬剤であるため、他に治療法のないドセタキセル抵抗性・進行性前立腺癌に対し、比較的円滑に導入が可能な新規薬剤であり、ドセタキセル療法との併用薬として大変有用な治療戦略となり得ると考えています。しかしながら、ドセタキセル療法とリバビリンを併用して使用することについて、動物実験では効果と安全性については確かめられておりますが、実際に患者様に投与するのは今回が初めてであります。そこでドセタキセル療法抵抗性前立腺癌に対するリバビリン併用ドセタキセル療法の有効性と安全性の検討のために、本臨床試験を計画いたしました。この臨床研究に参加を希望される方は、試験担当医師にご相談ください。本試験の対象者としてふさわしいか否かを判断するための検査を行い、そこで得られた血清PSA値や臨床病期、全身状態などから本試験の候補となる方であることが判明した際、本試験に関するインフォームドコンセント(本説明を含む)を行い、同意が得られた際、速やかに本試験のリバビリン投与を開始します。他院で既にドセタキセル療法を行って、治療効果が十分でない方も、本試験の候補となる方であれば本試験に参加いただくことが可能です。その場合、他院での検査値の使用やホルモン剤などの投与状況や、投与前の患者さんの状態(生活の質や排尿状態)について患者さん、もしくは他院の担当医師に質問させていただき、本試験の情報として使用させていただくことになります。
詳細については、試験担当医師にご相談ください。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
実務担当医師 小坂 威雄
電話 03-3353-1211, 03-5363-3825

課題名
筋層非浸潤性膀胱癌における予後予測因子の解析

膀胱癌は治療後に再発を認める例が多く、一部は進行して膀胱をすべて取り除くといった手術が必要になる症例も認めます。本研究では筋肉の層まで進行していない膀胱癌「筋層非浸潤性膀胱癌」を検討し、どのような症例が再発や進行を来たすかを解析することを目的としています。また、膀胱癌の治療を行った症例の一部は再発の予防目的でBCG(ウシ型結核菌)を膀胱内に注入する追加治療を行いますが、どのような症例において追加治療が効果的かを解析します。本研究により、どのような症例においてBCGの膀胱内注入を行うべきか、どのような症例で追加の手術を行う必要があるかが解明されることが期待されます。1982年1月から2013年6月までの間に、当院泌尿器科にて膀胱癌に対する経尿道的膀胱腫瘍切除術の治療を受け、筋層非浸潤性膀胱癌と診断された患者さんへ診療記録、画像、病理学的診断のデータの提供をお願いしております。データは匿名化され厳重に管理され、患者さんの個人情報は一切公表されません。また本研究は既存データを用いた後ろ向き観察研究であり、御協力頂きました患者さんに不利益・費用が生じることは御座いません。患者さんのデータは慶應義塾大学病院泌尿器科にデータを集積して予後因子の解析を行う予定です。解析の結果は学会発表や論文という形で公表されますが、患者さんの個人情報は一切公表されません。本研究の実施期間は2013年6月1日から2018年12月31日を予定しております。研究の対象者となっているのかどうか知りたい場合や、研究の対象から除外して欲しいとの御希望がある場合は御連絡下さい。

連絡先:慶應義塾大学医学部 泌尿器科学教室
菊地 栄次
電話 03-5363-3825
臨床研究