研究テーマ

尿路上皮癌研究

当教室では、尿路上皮癌臨床の向上を目指し、基礎研究を精力的に行っております。

今までの研究成果

膀胱腫瘍に対する新規治療法の確立としてまず、CDDPがROSを介して殺細胞効果の増強を示すことを証明しました(Miyajima A et al, Br J Cancer 76, 1997)。 細胞治療として樹状細胞を誘導し、新たな膀胱腫瘍に対する免役療法を確立しました(Nishiyama T et al, Clin Cancer Res 7, 2001)。さらにAngiotensin II type 1受容体拮抗剤であるcandesartanに注目し、本薬剤が細胞直接障害効果ではなく主にVEGFを介した血管新生阻害作用を有し、膀胱癌に対して抗腫瘍効果を発揮することを証明しました(Kosugi M et al, Clin Cancer Res 12, 2006; Hum Cell 20, 2007)。また、本薬剤がシスプラチンとの併用により膀胱癌に対する抗腫瘍効果を増強することも証明しました。(Kosugi M et al, Urology 73, 2009)。遺伝子治療確立の試みとして、adenovirusを用いたI-κBの遺伝子導入を行い膀胱癌細胞死を誘導しました(Sumitomo M et al, Hum Gene Ther 10, 1999)、さらにG207 herpes virusを用いた直接的な膀胱癌細胞死を誘導しました(Oyama M et al, Hum Gene Ther 11, 2000)。

一方、診断技術の向上に向けて、ラット同所性膀胱腫瘍モデルにおいて細径膀胱鏡、あるいは膀胱内超音波検査を用いた診断手技を報告しました(Asanuma H et al, J Urol 169, 2003; Sato H et al, J Urol 177, 2007)。新規膀胱癌マーカーの探索として、転移性膀胱癌のIgG抗体を認識する膀胱癌抗体を同定しました(Ito K et la, Int J Cancer 108, 2004)。また、タバコ等の有害物質の受容体である芳香族炭化水素受容体が上部尿路上皮癌の発癌、浸潤と関連し予後予測因子となりうる可能性を報告しました(Ishida M et al, carcinogenesis, 2009)。

尿路上皮癌に関する現在進行中のテーマは下記の通りです。

  1. 正所生マウス膀胱癌モデルを用いた膀胱内CpG注入療法の確立
  2. 膀胱癌に対するliposome法を用いたサイトカイン遺伝子膀胱内注入療法の確立
  3. マウス膀胱癌肺転移モデルの確立とその肺転移に対する新規NF-κB阻害剤の治療効果の検討
  4. 膀胱癌における新規NF-κB阻害剤を用いた各種抗癌作用増強の検討
  5. 新規抗癌剤を用いた血管新生抑制とそのメカニズムの解明
  6. Complementary and alternative medicineとしてのVitamin E Succinateと各種抗癌剤との併用治療の確立

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